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あっちゃんと
むしはともだち
え・しゅとう じゅんこ ぶん・きむら みえこ |
さいとう あすむ くんへ
2015年4月25日
まさこ おねえさんより
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ひがしやまちょうに すむ あっちゃんは
むしが だいすきです。
おともだちの ゆうたくんと つかさくんも
むしが だいすきです。
カマキリ コウロギ スズムシ
クワガタムシ セミのぬけがら・・・・・。
でも いちばん すきなのは
やっぱり カブトムシ。
むしたちが あそんでいるのを みると
いっしょに あそびたいなと おもいます。 |
きょうも むしを みつけに
のはらに やってきた あっちゃん
おおきな クヌギのきの
じゅえきを すいにきた むしたちに
「おーい きみたちの なかまに いれてよ
ともだちに なろうよ。」
と いってみました。
でも クワガタムシは しょくじちゅう。
あげはちょうは だんすに むちゅう。
スズムシは リーンリーンと うたっています。 |
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「つまんないな ともだちになって
いっしょに あそびたいのに。」
あっちゃんは つまらなそうに
アリの こうじげんばを みていました。
すると
「そんなに がっかりしないで。」
と くさの なかから こえが きこえました。
それは おおきな カブトムシでした。
「あっちゃん いつも ぼくたちに
やさしくしてくれて ありがとう
ぼくたちの おまつりに こない?」
「やった! でも どうやって いくの?」 |
「ほら ぼくの せなかに のって!」
あっちゃんは みるみるうちに ちいさくなって
カブトムシの せなかに またがって
つのに しっかり つかまりました。
「さあ しゅっぱつ!」
かたい はねが ひらいて つばさになり
クルクル パタパタ ビューン ビューンと
エンジンが かかって
あっちゃんを のせた カブトムシは
おおきな にゅうどうぐもの うえまで
とびあがりました。
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のはらを こえ もりを ぬけ
カブトムシの ひこうきだ。
ブーン ビュルルーン
スギのき クリのき クヌギのき
すりぬけ すいすい
ほっぺたに かぜが あたって
とても いいきもち。
やがて ひこうきは
ひがしやまちょう どんぐりやまの
くさむらに ちゃくりく |
どんぐりやまの ひろばでは
ピーヒャラ ピーヒャラ ドンドンドン。
クワガタムシが たいこを たたき
コオロギが ふえを ふいて
そのまわりを いろいろな むしたちが
わになって おどって います。
ねんに いちどの おまつりに
あかや あおの ちょうちんが
ゆらゆら ゆれて
あちらも こちらも おおにぎわい。
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「さあ ぼくたちの なかまを
しょうかい しよう。」
カブトムシは あっちゃんを
いろいろな むしたちに
あわせて くれました。
いつもは こわそうな むしたちだって
ニコニコ わらって
あっちゃんと あくしゅしました。 |
「あっちゃん のどが かわいたね。
カマキリの こおりやさんで
あまくて つめたい こおりを たべよう。」
おみせでは アゲハチョウが
ながい くちで チュウチュウと
こおりいちごを すっています。
むしたちは あまいものが だいすき。
つぎから つぎへと むしの おきゃくで
こおりやさんは おおいそがし。
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いよいよ おまつり いちばんの
すもうたいかいのはじまりです。
「あっちゃんなら
ゆうしょうを ねらえるよ。
きょうてきは クワガタムシだ。」
どんぐりやまの よこづなには
いったい だれが なるのでしょう。
ずらりと ならんだ せんしゅたち
じしん たっぷりの ミヤマクワガタ
おひげの ながい シロスジカミキリ
ふとっちょの コガネムシ。 |
のこった のこった はっけよい
ぎょうじは となりむらの ハナムグリ。
やっぱり クワガタは ちからもち
カミキリムシを おしだして
コガネムシには したてなげ。
のこるは あっちゃん ただひとり。
どひょうの まわりは おおさわぎ。
「がんばれ クワガタ!
がんばれ りょうちゃん!」
「にーし あっちゃんやま あっちゃんやまー。
ひがーし クワガタやま クワガタやまー。」
ぐんばいが かえって どひょうの まんなかで
ちから いっぱいの おしくらべ。 |
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クワガタやま よった よった
あぶない あっちゃん ゆだんをするな。
そのとき あっちゃん とくいの うわてなげ。
クワガタやまは
どひょうに ひっくりかえりました。
「やったぜ おうえん ありがとう。」
あっちゃんは おおきな こえで
おれいを いいました
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すずしい かぜが のはらを
わたって いきます。
せみの がっしょうが つづいています。
とても きもちの よい ごごなので
あっちゃんは いつのまにか
くさのうえで ねむってしまったようです。
ゆめの なかでは ゆうしょうした
あっちゃんの ひょうしょうしきが
はじまる ところです。 |
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